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音楽について

THE 30 ALBUMS +5~So Far 2014~

というわけで,、今年上半期(1~6月)にリリースされたアルバムの中で「個人的に良かった」と思うモノを30枚セレクトしました。30枚は多い!と思ったアナタ、全くの同意見です 笑!なので約半分はレヴュー付き、もう半分は紹介のみにします。因みにランキング形式ではないです。順不同で。

 

01. Wild Beasts - Present Tense

Present Tense

Present Tense

 

 

02. Jack White - Lazaretto

Lazaretto

Lazaretto

 

 

03. Yumi Zouma - EP

EP

EP

 

 

04. Real Estate - Atlas

Atlas

Atlas

 

 

05  Fennesz - Bécs

Becs

Becs

 

 

06. Angel Olsen - Burn Your Fire For No Witness

Burn Your Fire for No Witness

Burn Your Fire for No Witness

 

 

07. Sally Seltmann - Hey Daydreamer

Hey Daydreamer

Hey Daydreamer

 

 

08. Like Street Dive - Bad Self Portraits

Bad Self Portraits

Bad Self Portraits

 

 

09. SD Laika - That's Harakiri

That's Harakiri

That's Harakiri

 

 

10. Owen Pallet - In Conflict

In Conflict

In Conflict

 

 

11. The Horrors - Luminous

Luminous

Luminous

 

 

12. Future - Honest

Honest

Honest

 

 

13. CEO - Wanderland

 

14. Bombay Bicycle Club - So Long, See You Tomorrow

So Long See You Tomorrow

So Long See You Tomorrow

 

 

15. Ben Frost - A U R O R A

Aurora [帯解説・ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP162)

Aurora [帯解説・ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP162)

 

 

 以下15枚はコメント付きで。

 

16. Warpaint - Warpaint

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まずジャケットからして良作。中身も4人の距離感が今まで以上に接近していることがわかるサウンドに。今作ではStella Mozgawa(Dr.)が作曲面にもアプローチしただけあり、ドラムの刻むビートがヴォーカル以上に楽曲を引っ張っている。FloodやNigel Godrichがミックスしているトラックがあることから、3つ4つと聴く側がジャンルをチョイスできるような作品になっている。サイケデリックなダブビート、リバーヴの効いたアルペジオ、濃霧のように儚くもマッシヴなJenny/Emily/Theresaによるヴォーカル三重奏など、今年ド頭から剛速球を投げてきたWarpaintの新作、今現在もマストで聴いてほしい。

Warpaint

Warpaint

 

 

17. Kylie Minogue - Kiss Me Once

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マイ・セックス・シンボルだから、という個人的理由も付加してチョイス。他にも作品としてハイクオリティなモノはあったけど、マドンナなどが影を潜め、ガガやアイドルシンガーにシーンを染め上げられる中で彼女の”不変なるセクシャリティー”はまさに宝。アルバム発売後もガン研究を行う機関APRECを支援するためのチャリティーキャンペーンソング「Crystallize」を発表。この新曲、作詞/作曲/プロデュースに至るまでKylie自身が手掛けているが、共同制作としてBabydaddy(Scissor Sisters)とDev Hynes(a.k.a Blood Orange)が名を連ねているのも聴き逃し厳禁な要素。早く日本にも来てくれないだろうか…プロモーションでもいいから。

Kiss Me Once

Kiss Me Once

 

 

 

18. Tycho - Awake

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 Scott Hansen率いるTychoの新作。作品数を重ねるごとにディープな音色効果を極め、それでいてバンドアンサンブルを際立たせるミニマルな展開には確かに時代性を感じる。けれども、ドリームポップやチルウェイヴの余韻を邪魔扱いせず、寧ろ今までのデジタル/アナログな作風に加え、ポストロック等の即興性も含ませたアルバムに仕上がっているのが流石。国内盤にはAmetsubによる「Awake」のリミックスがボーナストラックとして収録。以下の音雲にてそのリミックス、さらにThe FADERの企画よるミックス音源も。ミックスはフリーダウンロード可。

 

 

Awake

Awake

 

 

 

19. Kandle - In Flame

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Kandle(本名:Kandle Osborne)による初のフルアルバム。2012年にEP『Kandle』をフリー公開してから2年越しでようやくリリースの今作。カナダのロックバンド54-40のNeil Osborne(Vo./Gt.)を父親に持つだけあり、ギターを持つ姿もかなりタフに見える。適度な歪みとリバーヴ、キュートな容姿とは裏腹にブラックな空気を漂わせるそのハスキーヴォイスが組み合わさるこのアルバムは、彼女自身の円熟したミュージックライフがあってこその結晶だと言える。因みに以前から交流のあるSam Goldberg (Broken Social Scene)、Sam Roberts、Cœur de Pirate がゲスト参加している。

 

In Flames

In Flames

 

 

 

20. Death Vessel - Island Intervals

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 ブルックリンを拠点に活動するDeath Vessel (Joel Thibodeau)による6年振り、通算3枚目のスタジオアルバム。4年前にSigur RosのJonsiがソロアルバム『Go』に伴う北米ツアーのサポートアクトとして抜擢されたことで、より大きな注目を集めることになる。その際Sigur Rosのアルバムカバーのデザインも務め、Jonsiと共にアルバムをリリースしているAlex Sommersがプロデューサーとして彼に声をかけ、今作は動き出した。アイスランドレイキャビクにある彼のスタジオにてレコーディングされたことが、中性的な彼の声の特性を何倍にも増幅されたように感じる一つの要素であるのは間違いない。アイリッシュフォークとカントリーミュージックの側面を併せ持ち、エレクトロビーツの装飾も上乗せされた最小で最大の威力をもたらすアルバムだと思う。収録曲”Ilsa Drown”ではそのJonsiがリリック、ヴォーカルとしても参加。同じ系統で異世界の色を持つ者同士による掛け合いには身体が溶けてしまいそうになるほどの中毒性がある。ぜひ二人合わせてライブを堪能したい…

 

 

Island Intervals [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (TRCP150)

Island Intervals [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (TRCP150)

 

 

 

21. Teebs - E S T A R A

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 Flying Lotusがオーナーを務めるレーベル"Brainfeeder"に所属するカリフォルニアのトラックメーカー/ペイントアーティスト/スケーターがTeebsである。2010年に!st『Ardour』リリースし、去年は親交深いPrefuse73と"Sons of the Morning"としてコラボレーションアルバム『Speak Soon (Volume One)』をリリースしている。とても哲学的に見えて、実はとてもイージーな耳を持って聴かれるべきアーティストだと思う。ジャケットを自らが手がけていることからも分かる通り、ライヴペインターとしての才が色濃く反映されたのが今回のアルバムだと思う。聴くより見るエレクトロミュージック。Prefuse73、Jonti(Stones Throw)、Populous、Lars Horntveth(Jaga Jazzist)がゲスト参加。

 

E s t a r a [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC412)

E s t a r a [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC412)

 

 

 

 

22. A Sunny Day In Glasgow - Sea When Absent

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 6月末ギリギリで購入して、もうヘビロテしている。同じく今年発売されたThe Pains Of Being Pure At Heart『Days Of Abandon』にJen Goma(Vo.)が参加していたりするが、自らのバンドでも前作から4年振りとなる新作をリリースしてくれた。ドリーム/ファジーポップの真新しいアウトプットバンドとして今までリリースしてきたアルバムが高評価を得てきた彼ら。ここにきてバンドとしてのスタジオワークに重点を置いたディレクションにて何とも地に足の付きそうな(あくまで”付きそう”)ネオ・ドリームポップ体現している。同じくフィラデルフィア出身のThe War On Drugsなどを手掛けているJaff Zeiglerをプロデューサーに迎えていることからも、アンサンブルや生演奏へのこだわりを経ての新しいリバーヴワークも素晴らしい。これからの猛暑にはもってこいのファンタジーポップが溢れ出てきそう。

Sea When Absent

Sea When Absent

 

 

 

23. La Sera - Hour of the Dawn

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今年3月に突如解散したブルックリンのガールズバンドVivian GirlsのベーシストだったKatyのソロ作。元々メンバーが個々でソロや別バンドでの活動も同時に進めてきたので、こうやって解散後すぐに別名義でリリースをしてくれるのは嬉しい限り。La SeraことKaty Goodmanの新作はソロとしては3枚目。バンド解散を挟んだ作品とは思えないほど思い切りよくロックしていて、VGでの活動期にあった熱量をとてもシンプルに発散している。ベーシストだからか、ベースを軸にしたローファイでグルーヴィーな曲たちが並んでいてアルバム冒頭から最後まで一気に聴かせてくれる。EDMやエレポップな音に疲れた人の耳には最高のカンフル剤じゃないかな?

以下にて『Hour~』から2曲フリーDL可。さらにnyctaperにてVivian Girlsのラストライブのライブ音源がダウンロード可能。(MP3FLAC

 

 

Hour of the Dawn

Hour of the Dawn

 

 

 

24. Beck - Morning Phase

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2002年の名作『Sea Change』とほぼ同メンバーでレコーディングされた今作は、サウンドからコンセプトまでとにかく洗礼され過ぎている。Beck本人が「長く暗い夜から抜け出すことについての曲」と評し、アルバム冒頭からラストにかけての流れがそのまま真夜中から夜明けと進みゆく時間軸とリンクとしている、いわば時間を切り取ったコンセプトを打ち出していると言える。本人は『Sea~』の続編ではないと述べているが、サウンドのベクトルとしてはほぼ同方向の作品だと思う。”Mroning”では夜の暗闇で朝に思い焦がれる男の哀愁を歌い、“Blue Moon”では闇夜を楽しもうとステップを踏む。そして後半“Waking Light”では日の出を祝うかのように力強いドラミングと、朝霧立ち込めるようなBeckのリバーヴィーなヴォーカルがなんとも幻想的だ。ぜひこのタイムコンセプト通り、夜更けから明け方にかけて白む夏空と合わせて聴いてほしい。

Morning Phase

Morning Phase

 

 

 

25. Lykke Li - I Never Learn

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 ここ最近ソウルフルな声を持ち、それをドローンやトリップポップに合わせて発信する女性シンガーが増えてきた傾向にある。そこには女性特有のビジュアルやライフスタイルを反映させることで、よりミステリアスな空気を漂わせることもできると思うが、Lykke Liというシンガーはそれらの要素を前提としながら、母親のような母性を感じさせてくれる大きな包容力を声に、さらには音に宿すことができる希少な存在だと思う。3枚目であり、3部作の締め括りと捉えている今回のアルバムはとにかくバラードに特化している。引き続きBjorn Yttling(Peter Bjorn and John)がプロデュースを努めているが、過去の2枚に比べてスウェディッシュな雰囲気が影を潜め、牧歌や聖歌のように壮大で膨大な大地をテーマにしている。リバーヴの効かせ方も絶妙で、全体を通して奥行のある音像が特徴。ぜひ、大きな空間で流してみてほしい。

 

I Never Learn

I Never Learn

 

 

 

26. Diamond Version - CI

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ドイツのエレクトロレーベル「raster-noton.」の代表格Alva Noto (Carsten Nicolai)とByetone (Olaf Bender)が2012年に結成したこのユニット。そこから今まで『EP-1』から『EP-5』まで5枚のEPをリリースしているが(後に『EP 1-5』リリース)、既存の曲は一切収録されておらず、全て新曲で構成された初のフルアルバムが『CI』である。近年のエレクトロシーンにおけるレイヤー感はもちろん、インダストリアル、ハードコアな音像、時折差し込まれるダンサンブルなミニマム/ジャーマンテクノの流れが巧みに介在し合っているのは、このトゥーマッチならではの仕事。これをコアと取るかポピュラーと取るかは悩ましいところだけど、Neil Tennunt (Pet Shop Boys)、Leslie Winer、Kyoka、Atsuhiro Itoがゲストヴォーカルとして参加していることも考えれば、安易にコアリスナーだけに向けての作品ではないと捉えるべき。適度なポップエッセンス、破壊的とまではいかないにしろ崩壊ギリギリのサウンドテクスチャーは、今年上半期、まさにダイヤンドのような輝きを放っている価値ある作品です。このDVの2人とFrank Bretschneiderを加えた3人で”Signal”としても活動していたのも、これを期に思い出した。そちらも同時に聴いてみてほしいです。

CI (ボーナストラック2曲収録)

CI (ボーナストラック2曲収録)

 

 

 

27. Swans - To Be Kind

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 スワンズの新作、ちょっとやり過ぎなんじゃない?と思ったほどの出来。彼らの足取りはサインマグでの田中宗一郎氏の文を読んでもらった方がより深く、さらに新鮮に吸収できると思うのでそちらを。個人の感想としては...とにかく「時間の超越」と「ジャンルやカテゴライズへのアンチテーゼ」みたいなものを感じた。要は"オルタナティブ~"と呼称したり、ミックステープなどが膨大な数の資料として積み重なっていく昨今のミュージックマーケットやシーンにおいて、スワンズが打ち出した由緒正しき新たなるオールディーセッションの賜物なんじゃないかと。『Seer』でもその予兆はあったけど、ここにきて1曲何分とか、構成はこうだとかの制約を打ち砕いたスワンズの新作は、いちいち細かい指摘をしていられないほどこってりした味付けになっている。今の20代ぐらいの洋楽好きが手を出しにくい存在かもしれないけど、今この作品から衝撃を喰らったほうが、この先きっと得する体験として語れるはずだ。

To Be Kind [帯解説・歌詞対訳 / 2CD + 1DVD / 国内盤] (TRCP158~160)

To Be Kind [帯解説・歌詞対訳 / 2CD + 1DVD / 国内盤] (TRCP158~160)

 

 

 

28. Sharon Van Etten - Are We There

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前作『Tramp』ではThe NationalのAaron Dessnerをプロデュースに迎え、Jenn Wasner (Wye Oak)、Zach Condon (Beirut)、Matt Barrick (The Walkmen)、Julianna Barwickなどの面々が参加し、まさに米インディー界における新たな金字塔として多くのリスナーから高い評価を得る。Sharon Van Ettenは数多くのサポートを武器としながら、己の人生観における描写を類稀なるメロディーセンスで拡張していく才能の持ち主だということ。今回はセルフプロデュースによって制作されたことにより、今まで以上に彼女のインナーワールドに接近した音が存分に堪能できる。もちろん、彼女自身が制作中にPatti SmithFleetwood Mac、Nick Caveなどを聴いていたこと、ゲストとして新たにAdam Granduciel (The War On Drugs)、Jonathan Meiburg (Shearwater)などが参加していることも、彼女のやりたい音楽が明確になって聴こえてくる大きな要因だと言えるだろう。ジャケットやMVの印象とは裏腹に、今までで一番バラエティに富み、ポップスへと傾いたアルバムですね。

6/13にNYのBowery Ballroom公演のライブ音源がnyctaperでダウンロード可。(MP3FLAC)

Are We There

Are We There

 

 

 

29. Hockeysmith - But Blood EP

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Hockeysmithはイギリスの南西に位置するコーンウォールを旅しながら音楽活動を行っているというAnnieとGeorgieによる姉妹ユニット。”lights + music”にてピックアップされたのを機によく聴いていたけど、可憐な容姿と相反するかのように何とも危ういサウンドを掲示している。まるで一時期流行したMy Bloody Valentine"Soon"にサンプリングネタのようなシューゲイズ要素を軽やかに飲みこみながら、ディープハウス寄りのダークなエレクトロビーツをミックスして吐き出している。まだEPだし、正直もっと奥ゆかしさを持って思い切りよくクリエイトしていくと面白い存在になるのかな、と。コーンウォール地方からグラスゴーあたりに移ってほしい感じかも。

 



 

30. Kasabian - 48:13

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上半期ギリギリというか、Jack Whiteかこっちかという悩みで散々弄ばれたけど、やはりKasabianで。『Kasabian』でデビューしてから丸10年。そんなアニバーサリーイヤーに示したバンドの新機軸は「変わらずにいこう!」という心意気。つまりは“オレたち、いつもこんなんだぜ?”と言わんばかりの宣誓。いや、アニバーサリーに向けてブーストさせるための開会宣言かな?ここ日本ではOasis直系の後継者なんて肩書が未だに多くの媒体で使われているけど、もうそんなヤツらには中指さえ立てずにスルーすべき時代に突入したようだ。Sergio Pizzorno(Gt.)が引き続きプロデュースを務め、エレクトロでダンサンブルなパーティーチューンを求めた今作は、まさにタイトル通り、収録時間分のパーティータイムが用意されている。ヘヴィーなサウンドもシンセエフェクトによって盛られ、10年の歩みを決してムダにしない“ロックンロール”アルバムだと思う。もうロックの定義も関係ない時代に、正反対の表現でロックを語るKasabian、クール過ぎる。

 

48:13

48:13

 

 

ここまでは今年上半期にリリースされた洋楽作品です。

ブログタイトルにもあった「+5」というのはここから紹介する作品のことです。いわゆる"コンピレーション"や"リイシュー"などの企画、記念盤のような作品で個人的にグッときたものをチョイスしています。

 

 

 

 

01. Oasis - Definitely Maybe [20th Anniversary Deluxe Edition]

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「ロックは死んだ」と誰かがその歴史に幕を下ろそうとしても、一晩もあれば、音楽は新しい歴史を刻むことができる。Oasisが20年前に付けだその大きな傷跡は、いつしか勲章となって今のロックンロールを支える土台になっている。Oasisの1stアルバム『Definitely Maybe』の20周年リマスター盤はシングルのカップリングからライブテイク、未発表音源までをコンバイルしたまさにコレクションとしての決定版だ。全体に音圧が持ち上がり、マスターにより忠実なノイズとサウンドバランスが本当に素晴らしい。最初はレコード会社の金儲けとしての企画だと思ったけど、20年前、自分はリアルタイムには感じられなかった「ロックの歴史が更新される瞬間」を、このリマスター盤からは感じることができる。Disc 3に収録された"Half The World Away"は当時ジャパンツアーで滞在していた東京のホテルにて録音されな貴重なテイク。これだけでも買いなアイテム。

オアシス 20周年記念 デラックス・エディション(完全生産限定盤)

オアシス 20周年記念 デラックス・エディション(完全生産限定盤)

 

 

 

02. The Clientele - Suburban Light

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 2000年にリリースされた初のアルバムでありシングル集が未収録楽曲などを含めてリイシュー。The Clienteleは90年末にロンドンから出てきたFeltを源流に持ちながら、The Velvet UndergroundBelle & Sebastian等のサイケデリアをメランコリーなギターポップで鳴らし、今もなおそのスタイルで活動する数少ない3ピースバンドです。それにしてもやはり美しい。エコーの効いたAlasdair MacLean (Vo./Gt.)のヴォーカルを中心に、紫陽花のように湿気を帯びて、濡れることで色味が増すそのギターポップは、魅惑的で、喪失感も漂わせるコアな音楽でもある。CDフォーマットでのリリースが少ない彼らだけど、これは未発表音源とともに聴きやすい形態として手に取ることができるので、ぜひ購入してほしいリイシューですね。そのかわり輸入盤しかないですけど...(それでもリリースしたMerge Recordsは偉い!)

Suburban

Suburban

 

 

 

03. Various Artists - Bleep:10

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 「Bleep」はロンドンを拠点とするWarp Records運営の音楽配信サイト。Warp所属、またはその傘下のレーベルに属するエレクトロニカ/ダンス等の電子クリエイターの音源を中心に配信している。そのサイト解説10周年を記念したコンピレーションアルバム『Bleep:10』は、その名の通り、この10年を盛り上げてきた新旧問わず人気のトラックメイカーが名を連ねている。去年『R Plus Seven』で数多くの批評家から絶賛されたOPN、AndrewHungとBenjamin John PowerによるFuck Buttons、80年代後半からサンプイングを軸に活動していたベテランAutechre、最近アルバムをリリースしたばかりのLone(Matt Cutler)など、ネームバリューだけ見ても刺激的なコンピだ。それぞれこのコンピのためだけに書き下ろしたトラックや、自曲のセルフリミックスなどを提供している。OPNはフィールドレコーディングをベースにしたらしさ満点のアンビエントヒーリングナンバーを手掛け、Machinedrum、Modeselektorなども自らの長所であるカットアップやヒップホップビーツをストレートに反映させたトラックを作っている。コンピ後半、ByetoneによるミニマムなダウンビートやNathan Fakeによるメランコリーなエレポップなどもあり、セパレートして聴いても楽しめるのが非常にいい。こういうコンピからアーティストを掘っていくのはベターなことかもしれないけど、それがハイクオリティでオールラウンドにカバーしている作品なら、掘り下げる価値も一層増していくと思う。 

Bleep 10 [帯解説 / デジパック仕様 / 国内仕様輸入盤CD] (BRBL010)

Bleep 10 [帯解説 / デジパック仕様 / 国内仕様輸入盤CD] (BRBL010)

 

 

 

04. XTC - Skylarking (Corrected Polarity Edition) 

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 XTCが1986年に発表した名作『Skylarking』が“Corrected Polarity Edition (=極性修正盤)”として初のCD化。2012年にアナログ盤リマスターとしてはリリースされていたが、今回Andy Partridge (Vo./Gt.)の強い要望により、改めてリリースと相成ったわけで。「極性修正」とは位相の違い、つまりは左で聴こえるはずの音が右で聴こえてしまうというようなミスを正したということらしい。この極性ミス、プロデューサーであるTodd Rundgrenが当時マシタリングした際に誤配線したことにより生じてしまったとAndyはコメントしているが、当のToddはこれを否定。まぁ、こういう人間関係のいざこざが作品の本質を崩してしまうことはこの作品に限ってはないけど、細かい部分で音源が修正され、XTCが当時レコーディングして求めた音にほぼ近いのは確か。オリジナル(ここでは修正前)とは違い”Dear God”が正式に本作に組み込まれ、低音域のボリュームが増し、ステレオミックスとして聴き心地のいいサウンドに生まれ変わっています。単純に”最新リマスター”としてリリースすればファンも極性なんていう専門用語に惑わされずに済んだのに…と考えながら、やっぱりXTCらしい展開で、これもまた名盤たる悩みかもしれませんね。

Skylarking (corrected polarity edition)

Skylarking (corrected polarity edition)

 

 

 

05. Various Artists - C86 Delexe 3CD Edition

 

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 英国の音専誌『NME』が1986年に雑誌の付録として、当時のインディーズシーンで将来有望な音楽を鳴らすバンドなどをフューチャーしたカセットテープこそ、このデラックス盤の源となるコンピレーション『C86』である。80年代での英国ロックの衰退と、90年代におけるブリティッシュロックの復権という構図はあまりにも安易な考察で、確かにMTVなど、アメリカの商業生産性が流れ込んできた事実が少なからず影響しているとは思う。その大きな波間に隠されてしまった“ムーブメントの種子たち”が一堂にコンパイルされたこのコンピレーションは、今改めて耳にしても胸熱くなるモノがある。1曲目を飾るPrimal Screm“Velocity Girl”が、後にワールドアンセムとなる彼らの“Rocks”に繋がっていくと捉えれば、やはりこのコンピには夢見る若者たちの青春がインディーポップとして鮮やかにコンパイルされている。この後にマッドチェスターやニューレイブ、シューゲイザー、トゥイーポップ、プリットポップ、そして今では主流となっているドリームポップやミニマルミュージックに至るまで、28年の時間を超えてその源流の片鱗に触れられる貴重な作品だ。追加収録されたDisc 3にはNorth Of Cornwallis、The Love Act、The Auctioneersなどの未発表音源も、ここからまた新しい音楽に出会える可能性をしっかり含んでいる。パッケージ装飾も付録っぽくてグッド。

C86 ?デラックス・エディション- (直輸入盤帯ライナー付国内仕様)

C86 ?デラックス・エディション- (直輸入盤帯ライナー付国内仕様)