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音楽について

2015 BEST ALBUM

やっと...やっとこさ...いや、1月5日ぐらいにはできてたんですけど。全くもって忘れてました。もう2016年も1/6が終わろうというのに...残念な奴ですねぇ...

以下、その書いてまま真空パックしたものです。実際は洋楽と邦楽をミックスさせたランキングだったんですが...これは必ず3月中に完全版として更新しますね。

 

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毎月更新するつもりがこのあり様...どうぞ笑ってやってください。まぁ有難いことに更新できなかった間というのは世間様と思う存分繋がれて、血肉を削っては働いていたわけです。

2015年はどんな年だったか?

非常にアバウトで当たり障りのないクリシェです。でも振り返ることは重要で、またそれをまとめてみることで見えてくる、聞こえてくる言葉があるはず。そんな通例行事の一つである年間ベスト企画に今年も挑戦します。

 

今年は初めて邦楽 / 洋楽をミックスした総合ランキングとなってます。昨今の「洋楽離れ」や「J-POP」と言った言葉の浮き足立った使われ方と捉えられ方に対して、もうそろそろ自分も何かしらのアクションで反応すべきかな、と。分かりやすさや受け取られ方を気にするがあまり、邦楽は邦楽、洋楽は洋楽での聞き方をしていた節があります。ただ、EDMやバブルガムベース、フューチャーファンク、ジュークなどが形を変えながらも確実に日本の音楽に浸透しつつあることを2015年は実感しました(安室奈美恵Sophieを、セカオワDan the Automatorを起用etc...)。

なので今年は数多くのブロガーや音楽情報サイトが行っていたように、海の向こうかどうかではない、”自分の聴いた好きな音楽”の中で決めていこうと決意した次第です。

 

例年なら作品ごとに解説やレビューをガッツリ書いてましたが、今年は総括的な文のみに限らせてもらいます。

ちなみに昨年(2014年)のベストは以下で。

 

junji0412.hatenablog.com

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junji0412.hatenablog.com

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それでは2015年の年間ベスト30をどうぞ。

 

【No.15】Natalia Lafourcade (@lafourcade) | Twitter - Hasta La Raíz

Hasta La Raiz

音楽家の家に生まれたサラブレッドであるメキシコの女性シンガーNatalia LaFourcadeの新作。ラテンアメリカを代表するアイコンは近年日本でも好まれているニューフォークやオーガニックミュージックをさらに洗礼させたスタイリッシュな仕上がりに。決してファストフード店のBGMと勘違いしないでほしいが、それでも非英語圏の音楽を聴いてみたいという人にはオススメしたい作品。

【No.14】Brett (@brettsounds)  - On Account Of Your Love

ON ACCOUNT OF YOUR LOVE

 昨年リリースされた『Brett』(Cascine)がネットを中心に話題となったワシントンD.C.発のシンセポップバンドの新譜。EPフォーマットに落とし込まれた新録6トラックとリミックスは前作と同様の地平を歩きつつ、サウンド面での煌びやかさ、ミックスにおける深みで着実に成長していることが伺える。時折ドリームポップを覗かせるようなアプローチも試みており、これはフルアルバムでの進化を待つとしよう。

【No.13】Anomie - Anomie EP

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 ガールズロックと言うとチープだが、USインディーにおける女性の自由でストイックな活躍は2015年でも顕著だった。日の目をを見る/見ないは別として、クールなサウンドを容姿端麗な才女が書き上げた事実を知らない人には是非知っていてほしい。Field Mouseなる4ピースバンドのメンバーRachel BrowneによるソロプロジェクトがAnomieである。以下で詳しく取り上げているので細かくは割愛するが、わずか10分のトータルタイムで見せる中毒性たっぷりのローファイガレージには今年完璧にヤラれた。

junji0412.hatenablog.com 

【No.12】Dame Arocena - Nueva Era

Nueva Era [帯解説・歌詞対訳付 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC476)

 

”アシッドジャズ”の父であるGilles Petersonに「本物」と称された22歳のシンガー。22歳といえど歌によるキャリアは14年(8歳から)にも及ぶ。ジャズやラテンをベースに高熱のソウルヴォイスを人肌に変換して歌うその卓越したセンス。日本のJ-POPが世界的に見てガラパゴス化の代表として語られる中で、非英語圏のポピュラリティーミュージックを聴くことの敷居はだいぶ低くなったはず。ニュージャズの隆盛を始めとするプレイヤーカルチャーとしてヴォーカルも必要なカテゴリであるならば、彼女のような声は今こそ求められるべき音色を生む出す源となるだろう。

【No.11】Jenny Hval - Apocalypse, girl

Apocalypse, Girl

グロテスクでミステリアスなレーベルSacred Bones からリリースされた通算5作目。Blanck MassPharmakonを抱える同レーベルにおいて、バランスボールに覆いかぶさるセクシャルな女を全面にあしらったジャケットとは裏腹に意外と耳馴染みは良いサウンド。インダストリアルノイズをギャップにして官能的なヴォーカルとオルタナティブなギターストロークが面白いように絡み合い、必要以上にダークな世界を感じないのは彼女の天性のバランス感覚だと思われる。このスタイルは日本のバンドでもきっとポップに昇華できれば流行りそう。

【No.10】Hiatus Kaiyote - Choose Your Weapon

Choose Your Weapon

Robert Glasper以降の新世代ジャズアーティスト/プレイヤーにフォーカスを当てた書籍 「JTNC」が生む新たなリスナー教育というか、「教育」というと上から目線のように聞こえるが、人と音で繋ぐ音楽本来の掘り下げる行為の再認識が今現在とても見直されている。オーストラリアのフューチャージャズバンドである彼らも新世代を担うにふさわしいクオリティーとテクニックを十二分に今作で味あわせてくれる。2015年9月に横浜で開催された"ブルーノートジャズ・フェスティバル"で初来日を果たしているが、それ見逃したことを未だ後悔しているぐらいに聞き込んでいたアルバム。シンセも駆使したグルーヴの構成力、シンコペーションも含めたリズムセクションとコーラスワークの組み込み方など個人的にツボだと思える箇所が1トラックに複数あるのがいくらループしていても飽きない要因だ。

【No.9】The Internet (@intanetz) - Ego Death

Ego Death

2011年の処女作『Purple Naked Ladies』ではユニット形態でありながらOFWGTAの一端として、Frank Ocean, Earl Sweatshirt,Tyler, the Creatorらと共に西海岸における新たなビートグループの代表格として手を挙げたが、この3rdアルバムでは完全にバンドフォーマットにおけるグルーヴを我が物とし、Vo.でコンダクターでもあるSyd The Kidのソウルフルな歌声を十二分に活かしている。バンドメンバーにはTundercatの実弟でもあるJameel Bruner (key.)が在籍している点も実に面白いが、なんといってもTylerを始めKaytranada、Tyler, the Creator, Janelle Monaeらの客演におけるネームパワーに臆することのないThe Internet本来のエキセントリックさがしっかりと表現されていることが何よりの満足感として印象に残る。

【No.8】Sleater-Kinney (@Sleater_Kinney) - No Cities To Love

No Cities to Love

10年ぶりのカムバック作...いやいや、彼女たちは常に全身全霊で今を更新してきたし、90年代初頭から発したガールズパンクブームにおけるライオットガール代表としても、今なおそのスタンスはブレていない。 過去作のリマスターBOXの発売とともにバンドストーリーを再び描き始めたその経緯は案外単純なものだったりするが、過去作同様、John Goodmansがプロデュースを担当していながら決して懐古主義に聞こえない点で個人個人での活動がいかに充実していたかがわかる。ベースレスであるがゆえのコンプレックスなど相変わらずどこ吹く風。”今求められているもの”ではなく”求めずとも得られて、それが今である”という時代と寝ることなく歩んできた姿勢が、2015年ではとても真新しいロックとして感じられた。

【No.7】Carly Rae Jepsen (@carlyraejepsen) - E•MO•TION

エモーション~デラックス・エディション(DVD付)

アメリカのティーンガールたちのアイコンからワールドワイドに煌めくポップスターとして飛躍したTalyor Swiftばかりに目と耳が向くのは致し方ないが、今作を持ってCarly Rae JepsenはTalyorとは異なる方法論で新たなポップアイコン像を確立したと言えよう。80'sアメリカンディスコやクラブミュージックにおけるアンセムチューンをアップデートする手法は一定の水準を満たしてほぼ出尽くしたヒット方程式の一つだが、彼女はそこに大胆にも飛び込みながら己のミュージシャンシップに則った表現方法を試みている。その結果 Sia & Greg Kurstin(M6)、Ariel Rechtshaid & Devonté Hynes(M5)というパーフェクトな共作家たちを血肉として、ポップミュージックとは何たるか?をしっかり理解している。人の共感を呼び、大衆を踊らせるには明快なステップを踏めるビート、健全なグルーヴ、そしてほんの少しの切ないコード進行が含まれていればいいが、彼女もSiaもDaveもぜーんぶ分かってやってますね、これ。

 

【No.6】courtney barnett (@courtneymelba) - Sometimes I Sit And Think, And Sometimes I Just Sit

【Amazon.co.jp限定】Sometimes I Sit And Think, And Sometimes I Just Sit [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] JKデザイン・ステッカー付 (TRCP182)_066

新人はまず”誰に似ているか”と他の音楽家に置き換えられて語れることが多い。それはその場で音源を聴かせられない、もしくはこのように活字として説明する際に重宝する比喩でもある。が、その例えによるインパクトがもたらす弊害が先入観なのだが、ことCourtney Barnettを例える際に用いられるCat Power, PJ Harveyなどの名前はこのアルバムの前では非力だ。決して自己主張が強いアルバムとは言えない。いや、彼女自身の思想やアイデンティティは歌詞に反映されてはいるが、だからといってパンクやモッズのようなカルチャライズに至る気張り方ではない。気怠くも投げやりではないヴォーカリルとミドルテンポでかき鳴らされるストラトは、2015年においては普遍的でありながら、その中でも突出した才の煌めきを感じさせる。インディーレーベルまで立ち上げ、オーストラリアを主とする同世代・若手アーティストのフックアップにも余念がない彼女。この作品でグラミー賞にノミネートされているが...もし獲ったら、最高に痛快だ!(※残念でしたね...)

【No.5】Jessica Pratt (@JessicaPrattSF) - On Your Own Love Again

On Your Own Love Again

こちらでだいぶ 語っているので短めに。改めて聞き直すと思った以上にアナログにおいての効果は印象が薄くなっている。あれからLP盤を購入したからか、針を落とすたびに録音されたテクノロジーよりは曲本来のノスタルジアや彼女のブレスなど細かい点にピントが合ってきた。アシッドフォークの系譜を真正面から捉えている今作は、細分化・多様化し、もはや概念的な議論テーマにすらなっている音楽ジャンルで説明するようなレビューではなく、もっと聴き手の感受性やファーストインプレッションを重要視すべきアルバムに仕上がっている。

【No.4】Jamie xx - In Colour

イン・カラー

シングルやEPごとにコンセプトカラーを掲示し、彩度や色相がトラックと絶妙にリンクしている点においてもJamie xxは共感覚を用いて人を楽しませることに長けている。明確なコンセプトやジャンル定義があるからこそ万人受けしやすい現行のミュージックシーンにここまで”目で 魅せる”音楽を作れるクリエイターは早々いない。まず言わせてもらえばこれは屈指のダンスミュージックアルバムで、それは単にステップを踏むでも、ハンズアップを促すものでもない。Young Thug, Papcaan, Romy, Oliver Simという人選が物語るグラデーションの豊かさと色相濃度の濃さがこのアルバムを単にダンスミュージックアルバムと呼称できない点の一つだ。レコーディング、プロモーションとThe xxのメンバーが参加していることも見逃せない。バンドサウンドでは織り成せない、ターンテーブルでは練り出せない紺碧のグルーヴを彼は誕生させたのだ。傑作。

【No.3】Grimes (@Grimezsz) - Art Angels 

アート・エンジェルズ

改めて問う、Grimesとは誰か?トラックメイカー、ソングライター、ポップアイコン...いや、単なるオタクか?このアルバムを一聴した後に残る雑多で掴みどころのない多次元の好奇心は間違いなく彼女の脳内で鳴るカノンであり、それを踏まえれば彼女は音楽家と称するべきかもしれない。2010年の『Geidi Primes』から前作『Visions』(2013)まで、1年に1枚という驚異的なリリーススピードを展開していた状況から一変。今回は約2年弱の間が空いている。この期間、大物プロデューサーの起用や多彩なコラボレーターとの共演が噂されたし、実際彼女は今作に至るまでアルバムを2枚分丸ごと廃棄している。それでもRihannaへの提供予定だった曲をアップデートさせたり(「Go ft. Blood Diamonds」)、Bleachersとコラボしたり(「Entropy」)と今作に収録されなかった楽曲は数知れず。己のアイデンティティに忠実でありながらも、アンダーグランド出身であり、インターネットにおける多様性を信じている彼女だからこそ到達できた完成形。

【No.2】Donnie Trumpet & The Social Experiment - Surf

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  以下、国分さんのブログにおける解説と解読が非常に素晴らしいので詳細はそこで。個人の雑感としては「音楽における金銭価値を問う問題作」だと思っていて。ブーム化しているレコードにしても、手触りを求めたり、副産物を求める愛好家には未だ重要なアイテムであるCDにしても手に取りたくなる(=対価を支払いたくなる)動機がある。が、この『Surf』はどうだろう?もちろん1.800〜3,000円を払う価値は十二分にあるクオリティーだし、客演やプレイヤーのネームバリューも申し分ない。それをDonnie TrumpetやChance The Rapperらは無料で提供している。いや、提供ではなく開放している。門扉を開けっ放しにしているのに無駄な風は入り込まず、誰もが耳馴染みのある快適な滞在時間を演出している。客演も必要最低限に収めている点もバンドとしてのフォーマットを重視しての判断だろう。ジャンルやユニット形態云々ではなく形式に縛られない豊かさこそ、今の音楽シーンにとって希少な開拓資源といえよう。 

blog.livedoor.jp

【No.1】Kendrick Lamar (@kendricklamar) - To Pimp A Butterfly

To Pimp a Butterfly

 もう何も言うまい。各メディアがこぞって1位に選んだからといって個人の指標における年間ベストのトップが揺らぐはずがない...と、言いながらどこか既存のメディアにおける合議制に反旗を降りたくて、いかに自己の音楽に自信があるかを比べたくて意地を張りたいエゴが自分にはある。それでも『To Pimp〜』は音楽、ひいてはヒップホップというカテゴリ以外でもそのクールでスタイリッシュな佇まいを維持している。アン・ハサウェイ主演「マイ・インターン」の冒頭で「i」がBGMとして使用されたり、Taylor SwiftBad Blood」に客演したりと決して横綱相撲だけをした年ではなかったケンドリック。クレジット面における考察は以下の記事に添付してあるブログ等を参考に。つい先日見た「ストレイト・アウタ・コンプトン」でも彼のコメントが出てくるが、終始彼のアイデンティティに魅了された一年だった。来日超絶希望ですから!

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