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音楽について

シティポップに憧れて~さいとうまりな『はじまるふたり』をカーステに

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ユニバーサルミュージック公式HP

さいとうまりなのデビューEP『はじまるふたり』を聴いただろうか?収録された4曲全てパーフェクトと言ってもいいほど、この夏のトキメキを凝縮した作品になっている。

 

彼女はグラビアアイドルとして芸能界デビューし、「ミスFLASH 2011」を受賞している経歴の持ち主だ。まぁ、そういう過去の経歴はさておき、このデビューEPを聴けば彼女自身の歌手活動に対する意欲と本気度はしっかりと伝わると思う。

幼少期に母親の影響で竹内まりやなどを聴いて育ったという彼女は、そのシティポップサウンドへのオマージュとも言える平成生まれなりの「平成ポップ」を表現すべく、今作では素晴らしい作家陣の下、平成産シティポップを体現している。

 

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 特設サイトがこれまた無駄な装飾がなくて、ハンドメイド感あるデザインとカラーリングに思わず長居してしまう。こういう部分でのキャッチーさ、とても好感が持てる。→『はじまるふたり』特設サイト

 

そんなキャッチーと胸キュンの宝庫であるデビューEPを『POPEYE』あたりでやっていそうな「シティポップ特集」的なノリで紹介していこうと思う。もちろん、そんなレビュー抜きにしてもまずは貼り付けた動画だけでも目を通して耳を傾けてほしい。

 

M1:ヴィーナス・モーニング(作詞・作曲:堂島孝平


「夜明け」をタイムテーマにした1曲目は、まさに「シティポップ特集」の見開きのような解かりやすさ。朝まで待ちきれず早起きして準備する主人公。そんな前のめりな気持ちを爽やかなカッティングとシンセベースが優しく高鳴らせていく。新都心を遠目にまだ明けきらない茜空の下、気分はすでにヴィーナス。夏の解放感と明ける一日への期待感が鮮やかに音になっている一曲。

ヴィーナス・モーニング

ヴィーナス・モーニング

  • さいとうまりな
  • J-Pop
  • ¥250

 

M2:はじまるふたり(作詞・作曲:堂島孝平

 


特集ページの2ページ目は「朝」を告げるモーニングシティポップ。1曲目同様、堂島孝平によるハイセンスなトラックメイクはもちろん、まるで少女漫画のような”改札前のワンシーン”へとピントが絞られていくセンチメンタルな歌詞は、まさにシティポップのキラーチューンたるキーワード。メロからサビに向かうまでにコーラスやヴォーカルのダビング数が増えていったり、歌詞の主人公の心情とリンクするよう音を足し引きするアレンジにも楽曲を聴かせる秘訣が隠れている。個人的にはフェードアウトしていく辺りに、今後のストーリー性の妙を持たせているなぁ、と。

はじまるふたり

はじまるふたり

  • さいとうまりな
  • J-Pop
  • ¥250

 

M3:crazy for you(作詞・作曲:多田慎也

 

4曲を起承転結に当てはめるならまさに転にあたる楽曲。AKB48ポニーテールとシュシュ」、嵐「マイガール」などを手掛ける多田慎也が紡ぐ「昼下がり」の妄想男子的サマーチューン。 エレクトロサウンドとブラスセクションが90'sの香りを漂らせ、彼女のヴォイスレンジと声質をフル活用している。アンニュイに見える表情にも、実は期待感や積極性が隠れてるのが夏模様というか。「環状線」というフレーズも非常に引っかかりがあります。

crazy for you

crazy for you

  • さいとうまりな
  • J-Pop
  • ¥250

 

M4:ねむれないよる(作詞・作曲:tofubeats


Chicago「Sutarday In The Park」のオマージュとも聞こえるピアノとブラスが印象的なイントロがたまらない4ページ目は…流石、tofubeatsによる楽曲。夜明けから朝・昼を越え、「夜」に行き着いたシティガールのプライベート空間を見事に切り取っている。”改札口”が再び登場するあたり、物語の締めとその後を補完してて、インターネット上だけのやり取りではない肉体的な体験熱が短いトラックに充満している。つくづく《会えないがゆえの会いたい気持ち》みたいな必殺テーマはJ-POPの定番で、そこにしっかりピントを絞ってくるのもさすが。会えない事への諦めに対する女性のポジな志向をさいとう自身がラフに歌うのが、これまたシティ感溢れるところ。

ねむれないよるに

ねむれないよるに

  • さいとうまりな
  • J-Pop
  • ¥250

 

とても念入りで、かつハッキリとシティポップというテーマを表現していること、たった4曲ではなく「描くべき場面のために必要不可欠な4曲」をショートフィルムやウェブサイトでスタイリッシュにビジュアルメイクしていることが、このEPの最小で最大の魅力になっているのだと思う。そしてそれらの魅力=さいとうまりなの「平成ポップ」という方程式に繋がっていて、この4曲からなる方式を誰もが日常の一コマの中で容易に使うことができるのである。つまりは誰もが憧れ、体験し、思い出になる時間とシーンを擬似的、もしくは間接的に追体験させてくれることこそ、シティポップ、平成ポップ、J-POPでは大切なことなんだと思う。

 

他にもYoutubeなどではカバーなどが投稿されているし、ビジュアル込み(笑)で音楽も応援したいなぁ、と思ってます。

 

こういう曲を週末カーステ(今はiPodかな?)に突っ込んで好きな人とドライヴ、もしくは散歩...でもしたくなるのは…やはりポップソングの効力かな?

 

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